呼吸器疾患

 


気管支喘息

咳喘息

  • 主症状が咳:一般的な気管支喘息では、息切れや喘鳴(呼吸時のヒューヒュー、ゼーゼーと鳴る音)が主な症状ですが、咳喘息では、しつこい咳が主な症状です。
  • 気管支の炎症:咳喘息も気管支の炎症が原因であり、アレルギー反応や環境要因によって引き起こされることがあります。
  • 夜間や早朝に悪化:咳喘息の症状は夜間や早朝に悪化することが多く、睡眠を妨げることがあります。

厳密な診断基準は存在しないので、他の病気の可能性はないことを注意しながら総合的に判断されます。診断的治療(喘息の治療薬を使ってみて咳が改善するかどうか)が必要の場合もあります.


慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に喫煙によって引き起こされる肺の慢性的な炎症と気道の狭窄を特徴とする疾患の総称です。これにより、呼吸が困難になり、日常生活に支障をきたすことがあります。COPDには、主に以下の2つの病態が含まれます。

  • 慢性気管支炎:気管支の内側が慢性的に炎症を起こし、咳や痰が頻繁に出る状態です。気道が狭くなり、空気の流れが妨げられます。
  • 肺気腫:肺の小さな気嚢(肺胞)が破壊され、呼吸の効率が悪くなる状態です。これにより、酸素を十分に取り込むことが難しくなります。

主な症状としては、息切れ、慢性的な咳、痰の増加、疲れやすさなどがあります。COPDは進行性の疾患であり、時間が経つにつれて症状が悪化することがあります。

治療には、生活習慣の改善(特に禁煙)、薬物療法、呼吸リハビリテーションなどが含まれます。症状がなくても、早期に診断し、適切な治療を受けることで、症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させることができます。


肺炎

肺炎は、肺の感染症であり、主に肺の小さな空気袋(肺胞)に炎症を引き起こします。通常、細菌、ウイルス、真菌などの微生物が原因で発症します。肺炎は、軽症から重症までさまざまな程度があり、特に高齢者や免疫力が低下している人々にとっては危険な病気です。

肺炎の主な症状:

  • : 痰が出ることが多いです。
  • 発熱: 高熱が出ることがあります。
  • 息切れ: 呼吸が浅く、速くなります。
  • 胸痛: 深呼吸や咳をすると胸が痛むことがあります。
  • 疲労: 体がだるく、疲れやすくなります。

軽症の方では、内服薬や通院の点滴での治療が可能ですが、重症の方は入院が必要になります。


非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症(NTM:Non-Tuberculous Mycobacteria)は、結核菌以外の抗酸菌によって引き起こされる感染症です。この病気は、肺、皮膚、関節などさまざまな部位に影響を与えることがあります。特に、肺に影響を与える場合が多く、慢性的な咳、喀痰、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

非結核性抗酸菌症は、健康な人でも感染することがありますが、免疫力が低下している人や既存の呼吸器疾患を持っている人は、感染リスクが高くなります。


気胸気胸

気胸は、肺の一部が破れて空気が胸腔(胸膜腔)に漏れ出す状態を指します。これにより、肺が部分的または完全にしぼむことがあります。気胸は突然発症することが多く、以下のような症状が見られます:

症状

  • 突然の胸の痛み:特に片側の胸に鋭い痛みを感じることがあります。
  • 呼吸困難:息が苦しくなることがあります。
  • :乾いた咳が出ることがあります。
  • 肩や背中の痛み:痛みが胸だけでなく、肩や背中に広がることがあります。
  • 皮下気腫:皮膚の下に空気がたまり、触るとポコポコと音がすることがあります。

気胸は早期の診断と治療が重要です。もし気胸の症状がある場合は、すぐに医師に相談してください。